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クラウド会計はじめました

簿記を習得したのがちょうど40年前になります。

経済取引を財産面と業績面に分けて観察して、記録して、報告する、人々が必要の中から生み出した慣習というか、技術というか、おもしろいなあと思う反面、「もっと別の画期的な観察手法があるんじゃないか」という野心が湧き上がる感覚が沸き上がったのも覚えています。若かったから。

 

最近関与先になった若い事業主さんが相次いでクラウド会計のfreeeのユーザーであったことから、freeeと向き合う機会があり、自分も始めてみることにしました。たぶん税理士がfreeeに触れたらみんなそう感じると思うのですが、ソフトウェアとしての使用感だけでなく、「簿記を使ってはいけない簿記」という違和感が気持ち悪いというか、好奇心をくすぐるというか。

税理士としてfreeeを利用するにあたってアドバイザーアカウントをもらうといろいろ便利になるので「会計freeeエキスパート」の試験も受験しました。

 

freeeをひと言で説明できるほど熟知しているわけではないのですが、①金融機関やアマゾン、クレジットカードの通帳や取引履歴のWEBサービスと同期させられるので取引の入力が大幅に減少、②取引についてルールを設定してやると仕訳を自動で生成(デフォルトでも結構自動生成します)、③取引のセグメント(摘要残高的なもの)を5種類まで与えられるので事業の分析に利用しやすい、④請求書を発行する機能があって、売掛金発生仕訳自動生成~売掛入金消込みまで一気通貫、など便利機能満載です。

 

実際自身の事務所の記帳で利用を開始しました。

初めは取引を仕訳に翻訳してあるべき「仕訳」を想定して、そうなるように操作するということをしていましたが、エキスパート受験のおかげもあって、今では考えるのはソフトウェアに任せて自分は操作だけするという感覚になってきました。外国語の勉強に似てるかなという印象です。初心者は文法を意識して頭の中で日本語⇔英語の翻訳をするが、熟練すると英語で考えるようになると聞いたことがあります。私はネイティブ簿記人なので、無意識に簿記ルールで取引を観察する習慣ができてしまっているので苦労しましたが、初めて帳簿の記帳をする人は初めて習う言語が英語の人と同じようにfreeeがすんなり頭に入るんでしょうね。

ただ、初めて帳簿の記帳をする人は成果物、決算書などのあるべき姿がイメージできていない場合が多いと思うので、税理士さんなど会計の専門家に企業会計原則や会社法などに準拠できているかのチェックをしてもらわないといけませんね。仕訳自動生成のルール作成も会計専門家はたくさんの取引を見てきた分、一日の長があるように感じます。

あと、freeeの普及がまだまだなので、決算処理をfreee流で教えてくれる人が少ないでしょうから、freeeユーザーが決算処理を覚えるのはまだ壁が高いかなあと感じています。

 

お饅頭をひとつずつ手で作っていた時代から機械でポンポン生産する時代になって、コンビニで買えるようになったように、簿記にもそういうイノベーションが訪れるんでしょうね。

 

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